デジタルイラストで”水”を描く技術|手法・種類・描き方のコツ2025年版

イラスト

はじめに:水の描写は難しいけれど、マスターすれば表現力が格段にアップする

こんにちは、bakです!

デジタルイラストを描いていて、「水をもっとリアルに描きたい」「透明感が出ない」「水しぶきがうまく表現できない」と悩んだことはありませんか?

水は透明で形が定まらず、光の反射や屈折、泡や波紋など複数の要素が複雑に絡み合うため、イラストを描くときに難易度の高いモチーフのひとつです。しかし、水の描き方をマスターすれば、キャラクターイラストも背景も一気に魅力的になります。

この記事では、2025年最新のデジタル描画技術をふまえ、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)やProcreateなどの人気ソフトを使った水の描き方を、初心者から中級者まで理解できるよう徹底解説します。


水を描く際に押さえるべき基本構造・視覚要素

1. 光と影の関係:透明な物体特有の性質

透明な物体では、影の方向が全て逆さまになり、光源側に影ができるのが大きな特徴です。不透明な物体とは真逆の挙動をするため、この理解が水を描く上での第一歩となります。

また、透明なものは光の方向に対し、すべて逆の位置に影がつきます。影のない反射している透明なところに周囲のものが写り込みます。この「映り込み」の表現が、水らしさを演出する重要なポイントです。

2. 水面の波紋・反射・屈折

水面には周囲の景色が映り込みます。普通の反転でも綺麗に映り込みを出すことはできますが、動きがなくどこか不自然さが出てしまいます。風景のパーツごとに分けて反転するとより自然な映り込みにすることが可能とされています。

さらに、水の模様として描かれる網状模様は、実は水面ではなく水を通った光が水底に作った模様(集光模様)です。この知識があると、プールや海の描写がより正確になります。

3. 泡・しぶき・飛沫の表現

水の特徴として、遅く動いていると球体が多く、早い動きになると細長いラインが多く出ます。この原則を理解すると、水しぶきや泡の形状を自然に描けるようになります。

4. 水の動きと重力の影響

水は重力の影響を強く受ける物質です。つまり、重力を受けた分だけ、より乱雑に変形していきます。噴射する水、落下する水滴、波打つ水面など、それぞれの動きに重力の影響を意識することで、リアリティが増します。


デジタルで使える「水の描き方」種類別解説

1. 静水(穏やかな水面)

湖や池など、波の少ない静かな水面の描き方です。

手順:

  1. ベースカラーで水域を塗る(青系のグラデーション)
  2. 反射像を作成(景色を反転コピー)
  3. レイヤーを『スクリーン』あるいは不透明度を変更することで透明感を出す
  4. 波紋や水際のハイライトを追加

参考:泡や水中など水の描き方講座 | お絵かき講座パルミー

2. 波・動きのある水面(海や荒れた水)

荒れた海のような高い波を描く場合、波模様の形が三角形の山型になるのがポイントです。

手順:

  1. 波の流れを意識してラフを描く
  2. 波の頂点(山型)を明確にする
  3. ハイライト(光が当たる部分)を強調
  4. 水しぶきを追加して動きを出す
  5. オーバーレイやスクリーンレイヤーで明るさと発光感を足す

参考:海の描き方講座!デジタルで綺麗な海を背景に描くコツ | egaco

3. 水中・泡・浮遊感のある環境

泡は透明なので、水中の色が映り込みます。泡の輪郭が残るように水中に近い色で泡を塗り、海面から差し込む光を意識して、泡の上部に白で反射光を描き込むのがポイントです。

手順:

  1. 水中のグラデーションを作成(上:明るい青、下:濃紺)
  2. レイヤーモードを「オーバーレイ」にして光の筋を描く
  3. 泡を描く(輪郭→影→ハイライト)
  4. 全体を柔らかいブラシでぼかして馴染ませる

参考:iPadとProcreateで描く!水中の描き方のコツ | いちあっぷ

4. 水エフェクト・水しぶき

水エフェクトを綺麗に仕上げるには「ラフ」「清書」「合成モード(加工)」の順に描き進めます。

手順:

  1. 流れる方向を決めてシルエットを描く
  2. 速度に応じて形を変える(速い→細長い、遅い→球体)
  3. 影とハイライトを入れる
  4. 合成モード(スクリーン、加算、オーバーレイ)で透明感を出す
  5. 色相を調整(青→紫、水色など近い色)

参考:【水エフェクトの描き方】デジタルで水面・水滴・水泡も簡単キレイに描ける | egaco

5. 水滴の描き方

水滴を描く時は立体感とツヤが大事です。光源の方向に大きなテカリを入れ、水の下の陰に反射した光をさらに光らせるイメージでホワイトを入れるとリアルになります。


実践!水を描くおすすめワークフロー

ステップ1:構図と水の種類を決める

まず「静水」「波」「水中」「水しぶき」のどれを描くか決め、視点(俯瞰・水平・水中視点)と光源位置を設定します。

ステップ2:ベースカラー・形を置く

水域の大まかな色を敷き、波線や水面ラインを入れます。南国の海は緑がかった明るい色、北国の海は紺色に近い暗い色になります。

ステップ3:影とハイライトを入れる

水の内部は影を濃く入れると明暗がはっきりし水らしさを出すことができます。外側のハイライトを残すように描きましょう。

ステップ4:質感・エフェクトを重ねる

粒子、泡、飛沫、反射像、水中光線などをレイヤーで追加。レイヤーモード(スクリーン・加算・乗算)を活用します。

ステップ5:仕上げ・調整

色調補正、グラデーションマップ、ぼかし(被写界深度・動きブラー)で雰囲気を統一します。

ステップ6:最終チェック

「水っぽさ」「透明感」「動き」があるか確認。違和感があれば微調整を行います。


2025年最新!おすすめデジタルツールとブラシ

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)

2024年12月に公開されたVer.3.2.0では、スタジオモードでのイラストへ簡単に効果がつけられるフィルター・色調補正の強化や、シンプルモードの使い方を学べるチュートリアルとヒント表示が追加されました。

  • おすすめポイント: 豊富な素材・ブラシ、レイヤーモードの充実
  • 水描画に便利な機能: グラデーションツール、変形ツール(反射・歪み)、合成モード

CLIP STUDIO PAINT 公式サイト

Procreate(iPad専用)

iPadと有料のペイントアプリであるProcreateを使った水面の描き方は、CLIP STUDIO PAINTやPhotoshop、無料のお絵描きアプリにも応用できます。

  • おすすめポイント: 直感的な操作、豊富なブラシ、レイヤーエフェクト
  • 水描画に便利なブラシ: エレメント>オーシャン、エアブラシ>ソフトブレンド

描く際の注意点・よくある失敗と改善ヒント

失敗1:光源と波の向きが矛盾している

光の当たり方と波の頂点がズレると不自然になります。**改善策:**常に光源位置を意識し、波の明るい部分が光源側を向くようにします。

失敗2:エフェクトを入れすぎて画面が煩雑

全体に満遍なく描き込んでしまうとメリハリが無くなります。**改善策:**重要な部分にのみエフェクトを集中させ、透明度を調整します。

失敗3:透明感と反射の描き分けミス

集光模様は水面にはできず、水底の模様であるという理解が重要です。**改善策:**水中の物体と水面の反射を混同せず、それぞれの位置関係を正確に把握します。

失敗4:リファレンスなしで描いてしまう

身近にある水をよく観察して、写真をとって参考にするのも良い方法です。**改善策:**実写真や動画を参考にしながら描きます。

失敗5:レイヤー構造が複雑化しすぎ

描きこみ過ぎると修正が困難になります。**改善策:**レイヤーに分かりやすい名前をつけ、グループ化して整理します。


まとめ:水の描写力を上げて、イラストの説得力を跳ね上げよう

水の描き方をマスターすることで、イラストの表現力は格段に向上します。重要なのは、水の種類(静水/波/水中)に応じた適切な手法を選ぶこと、そして光の反射・屈折・透明感の3要素を意識することです。

水は動きが自由自在なのに加え、透明なので難易度の高いモチーフの一つですが、コツを覚えると、表現の幅が広がります。

次のステップとして、こんなチャレンジはいかがでしょうか?

  • 背景に水を入れたイラストを描く
  • 水中にキャラクターを配置した作品を作る
  • 雨のシーン、プールのシーンなど、テーマを決めて描く
  • 異なる時間帯(朝・夕方・夜)の水面を描き比べる

デジタルイラストにおける水の描写は、実践→観察→改善の繰り返しで確実に上達します。この記事で紹介したテクニックを参考に、ぜひ自分だけの「水」を表現してみてください!


参考リンク・さらに学びたい方へ


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